映画「バイプレイヤーズ〜もしも100人の名脇役が映画を作ったら〜」感想

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映画「バイプレイヤーズ〜もしも100人の名脇役が映画を作ったら〜」の感想です。

ゴールデンウィークに入ったばかりの4月29日に、上映館も上映回数も減ってきて「こりゃ公開終了が近いぞ」と急いで映画館に足を運んで観てきました。

鑑賞直後に久々にタリーズに入って、感想の下書きだけ手帳に書いて、気づけば半月くらい経とうとしていた…(爆)

上映終了している映画館が多くなってしまいましたが、行ける範囲内に上映中の映画館がありましたら、是非とも足を運んで干渉されることをオススメしたい作品です。

個人的には期待いっぱいで観に行った「ノマドランド」より心が震えて号泣しました。

 

あらすじ

富士山の麓にあるのどかな撮影所バイプレウッド。民放各局の連ドラや映画など沢山の組が撮影していて100人を越える役者たちで大賑わい。田口トモロヲ、松重豊、光石研、遠藤憲一ら元祖バイプレイヤーズもネット連ドラを撮影中。主演は有村架純だ。楽しく撮影が始まろうとした時、有村が共演している犬の風(ふう)がいないことに気づく。風は行方不明になっていた。

心配する有村に、田口、松重、光石は風に何があったのか語り始める。

一ヶ月前、濱田岳、柄本時生、菜々緒、高杉真宙、芳根京子ら若手の役者たちが「月のない夜の銀河鉄道」という自主映画の撮影を始めていた。監督は濱田、主人公は小さなチワワだがラストに100人の役者がSLで祝杯をあげるという壮大なストーリー。車掌役で参加してくれた役所広司もそのシーンの撮影を心待ちにしている。だが…実は役者は全く集まっていない。しかも超低予算でスタッフを役者が兼務する有り様。やがて主役のチワワは逃げ出し、SLも撮影目前でロケを断られ路頭に迷う始末。そのくせ濱田は監督風を吹かせるので菜々緒、高杉、芳根も呆れて濱田組を降りてしまう。落ち込む濱田、時生を見かねた田口ら元祖バイプレは自分たちのスタジオのSLセットを貸してあげることに。

一方、菜々緒は敬愛する天海祐希と出くわす。天海はバイプレウッドに買収話が上がっていることを憂いていた。そこでバイプレウッドを愛する天海と菜々緒は一念発起、撮影所の存続をかけ署名を集めるためにバイプレウッド中の役者に声をかけはじめる。かたや濱田と時生は再び100人の役者を集めるべく撮影を再開するが、同じスタジオには勝村政信や渡辺いっけいなど厄介な名脇役おじさんたちが大勢いて、ことあるごとに邪魔されストレスが膨らむ。そんな若い彼らを陰ながら見守る田口、松重、光石は何か秘密を隠しているようで…

こうしてそれぞれの思いが交錯、やがて役者同士のぶつかりあいに発展!犬の風もそれに触発されたのか撮影所中を駆けずり回り大暴れ!連ドラ、大河、朝ドラ、映画チームなどバイプレウッド全体に嵐を呼ぶ大騒動を巻き起こす!

こんなんで100人の役者の映画は完成するのか!?そしてそんなドタバタ悲喜劇を越えると映画史上初の試みのとんでもないラストが待っている!100人だからこそ成し遂げられる未体験の温かな感動がスクリーンを包む!(映画公式サイトより引用)

感想

この映画は2021年1月〜3月にテレビ東京系で放送された「バイプレイヤーズ〜名脇役の森の100日間〜」と連動したストーリーになっています。

ドラマでは、富士山の麓にあるのどかな撮影所「バイプレウッド」を舞台に、100人の俳優・女優が本人役で出演し、数々のドラマ撮影にまつわるエピソードが展開されていました。

その合間に起こった出来事が映画のストーリーになっているので、ドラマを観てから映画を観ると、裏事情が分かってより深く楽しめると思います。

また、言わずもがな「バイプレイヤーズ」はシリーズ3部作になっています。

大杉漣さんをリーダーとして、シーズン1ではシェアハウスで共同生活したり、シーズン2では無人島でサバイバル生活したり、おじさんたちのわちゃわちゃに萌えと癒しを感じっぱなしのドラマです。

シーズン2の途中で大杉漣さんは突然のカットアウトをされてしまい、本作が遺作となりました。

シーズン3では遠藤憲一さん、田口トモロヲさん、光石研さん、松重豊さんが「元祖バイプレイヤーズ」として若手バイプレイヤーズにバトンを渡しつつ見守る立ち位置に。

エンケンさんは見守るというか、自分が飛び立ったというか(笑)

寺島進さんがシーズン3の後半にゲスト出演されたのが一番嬉しかったです。

paraviでシーズン1から一気に予習したので、大杉漣さんがこの作品に深い思い入れを抱いておられたこと、いつか映画化を望まれていたこと、バイプレイヤーズの絆が心の中に入りこんでいる状態で映画館に行きました。

私は、バイプレイヤーズが黒スーツでキメて登場するオープニングの映像が大好きで。

シーズン3だけ画像が拾えなくて、iPadでparaviの動画を映した写メになってしまって恐縮なのですが…

映画館の大きなスクリーンに、ドラマと同じ、元祖バイプレイヤーズが森を歩くオープニングテーマが流れた瞬間、何かもう万巻の想いが溢れてしまって、まだ本編なんも展開してないのに涙が止まりませんでした。

勝手に、大杉漣さんが隣の席で同じスクリーンを観て「よかったねえ、やっと映画になって、嬉しいねえ」ってニコニコ笑ってらっしゃるような気がしてならんかったとです。

(霊感でもなんでもなく、HSPあるあるの感動しやすさ)

その上、ストーリーの中核になる役者さんが「風くん」という犬なんですよね。

動物が出てきて、精一杯に行動する姿を観ると尊すぎて100%泣くしかない。

もちろん笑えるシーンもたくさんあったから、もはや爆笑しながら号泣する意味不明野郎になってました。

コロナ禍で作られた作品に100人もの俳優・女優さんが出演されて、どのシーンを取っても好きな人しか出てこないって奇跡的で、なんて贅沢なんだろうと思いました。

映画の中では、コロナ禍とは違う理由で作品作りを中断せざるを得なくなるシーンが出てきますが、制限された状況の中で、みんなで協力しあって「今できること」を精一杯工夫しながらひとつの作品を仕上げていくところが、コロナ禍の中で一生懸命生き抜いている今の私たちと重なって、やっぱり泣けて、元気をもらえました。

エンドロールのラストまでしっかり観て、この作品に大杉漣さんがちゃんと存在されていたこと、ジャスミンが働いていたバイプレウッドの食堂が「さざなみ庵」だったことの意味が全部繋がって、映画館から出ても余韻がしばらく抜けずにparaviでシーズン1からリピートしたり、バイプレイヤーズの出演作品を追っかけたりしている今日この頃。

ちなみに、お約束のように「テレ東だろ?」と自虐ネタにされていたテレビ東京ですが、個人的には独特のほっこりした空気感があるドラマが多くて好きです。

paraviはテレビ東京系、TBS系、WOWOWと作品数が豊富なので、税込1,017円とアマゾンプライムよりは割高ですけど、観たい番組がある時にスポット課金すればコスパが良い印象。

と、本当に感動でいっぱいの映画だったんですが。

ひとつだけ意見するとしたら…

エンケンさんのオチ、あれで良かったん?

トモロヲさんは「これもひとつの幸せだよね」とか綺麗にまとめてたけど、どう考えても、あの後の展開って修羅場しか待ってない気がするんだけど。

ま、あくまでフィクションですからね(笑)

元祖バイプレイヤーズが前面に出て動く作品はこの映画で最後、ということですが、濱田岳くんたちの若手バイプレイヤーズで作品が作られることがあれば、ぜひ役所広司さん的なポジションで出演されることを期待しています。